前回、歯周病と糖尿病の関係についてお話がありましたので、今回は治療に関する具体的な結果も含めてお話をさせて頂きたいと思います。
まず、糖尿病について簡単に復習です。
食事から炭水化物を摂取すると、消化されてブドウ糖として吸収されます。この時、血液中のブドウ糖の量(血糖値)が高くなり過ぎないようにインスリンが働いてコントロールしています。何らかの原因でインスリンが効かず高血糖の状態が続いてしまうことを糖尿病といいます。
糖尿病には1型と2型があり、皆さんが糖尿病と聞いてイメージするのは2型糖尿病にあたります。
糖尿病の主な指標として、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値があり、基準値を超えてしまうと糖尿病の治療が必要になります。
血糖コントロール目標として
・血糖正常化目指す際の目標:HbA1c 6.0%未満
・合併症予防の為の目標:HbA1c 7.0%未満
・治療強化が困難な際の目標:HbA1c 8.0%未満
と発表されていて(日本糖尿病学会より)、糖尿病の治療はこれらの範囲内に数値を収めることを目的としています。
これを踏まえたうえで、ここからが本題です。
糖尿病患者が歯周病治療を行うと、HbA1c が大体0.4%改善されるといわれています。(結果には個人差があります)
先日、私が担当させて頂いている方の中で
HbA1c が5カ月で2.9%(8.7%から5.8%)改善された方がいらっしゃいました。
歯周病治療を開始して約8カ月になりますが、初診時と比べると全体的に出血量が減りお口の中の環境はだいぶ改善されました。
勿論、食事療法や運動療法も並行して行っています。
何より、患者さんご自身が努力されている結果です。
歯周病はあらゆる病気と関わっているといわれていて、糖尿病はそれらを悪化させるといわれています。
健康的な体でいつまでも元気に過ごせるように、まずはお口の中をきれいに保っていきましょう!
歯科衛生士 真下