金属アレルギーの仕組み
身につけた金属が汗などで溶けてイオン化することが始まりです。
そのイオン化した金属と体内に含まれるたんぱく質と結合したものが
免疫細胞に敵と判断されると金属アレルギーが発生します。
敵と判断された場合、それ以後イオン化した金属とたんぱく質と結合したものが
体内に侵入する度にそれを排除しようとアレルギー反応が起こります。
それをふまえて、歯科においての金属アレルギーについてお話したいと思います。
歯科治療では金属は一般的に使われていますが、お口の中はとてもイオン化しやす
い環境です。
なぜなら口腔内の環境は
1 唾液によって常に湿潤環境である
2 飲食によりPH酸性度、温度が大きく変化する
3 歯が噛み合うことで金属が擦り減る
4 身につける金属とは違い、かぶせ物、詰め物は一度入れたら
入りっぱなしになる
金属は口の中でイオン化しやすいだけでなく、一度入れた金属ははずさない限り
常に口腔内にあるので継続して唾液に溶け出し体内に吸収され続けます。
それが過剰に蓄積された時にアレルギー反応のリスクが高まるわけです。
症状の出現場所も個人によりさまざま、
症状が出るまでの期間もさまざまでことなること。
また、金属を入れて数十年経過してから発症することもありえるため
原因に気づかないことがほとんどです。
そうなると、症状が改善されることなく体に大きな負担をかけることになります。
保険診療の銀歯に最も多用されている金属は金銀パラジウム合金です。
この合金に含まれるパラジウムは金属アレルギーを起こしやすい金属と言われて
います。
近年EUを中心に歯科治療でのパラジウム使用が問題視されています。
特にドイツでは妊婦、子供に対してパラジウムを使用しないよう勧告されてい
ます。
お口の中も体内の一部です、内臓や頭部など酸化するような金属を使用すること
無いですよね。口腔内も同じく体内です。ここから食べ物が入り全身にまわりま
す。 できることなら身体に悪影響を及ぼす疑わしい合金よりも安心な生体親和性
の良い素材で治療されることをおすすめ致します。
同時に、一度治療された部位を継続維持するためにはメインテナンスがとても
不可欠なんです。常にきれいな口腔内環境をキープしていれば、
いつまでもトラブルのない健康な歯を維持することができます。
なんでも美味しく食事ができることで健康でいられること、そして生活の豊かさが
増します。
いつまでも気持ちの良い生活を送りましょう。
歯科衛生士 松田