ドライマウス

ドライマウスはさまざまな原因で唾液の分泌量が低下し、口の中が乾燥する病気です。「口腔乾燥症」ともいいます。 薬の副作用やストレス・緊張による交感神経の刺激で唾液の分泌量が少なくなることで起こります。 糖尿病や腎不全、シェーグレン症候群など、ほかの病気や年齢による唾液量の低下も原因となります。また口で呼吸することで唾液が蒸発してしまい乾燥を感じる場合もあります。

ドライマウスの方は唾液の分泌量が減って口の中が潤わず粘つき、舌の痛み、口臭などの症状のほか、乾いた食品を食べられない、食べ物をうまく飲み込めないといった症状があります。口の中が乾くと、唾液の持っている自浄作用が失われ、歯垢がつきやすくなり、むし歯の原因となります。さらに舌のひび割れや痛み・口臭の悪化・摂食障害・味覚障害・発音障害などが現れることがあります。特に高齢者は、そのまま放置しておくと、食べ物を飲み込む能力が低下する摂食嚥下障害から重篤な病気になりかねません。

ドライマウスに対し歯科では、まず、問診・触診のほか、口腔内診査や唾液量検査などを用いて複合する病因を特定していきます。次に糖尿病や更年期障害、薬の副作用など、複数の原因に対してさまざまな治療法を組み合わせ、その要素をひとつずつ取り除いていくことになります。このように、ドライマウスは全身疾患のひとつの症状として口腔に現れることが多いため、歯科と医科の連携が非常に重要になります。 歯科での実際の治療には、人工唾液や保湿ジェルなどを用いる対症療法、唾液分泌促進剤による薬物療法、筋機能療法などがあります。

また、次のような対処法もありますので、疑いがある場合は試してみることをおすすめします。

1. 口が乾く前にこまめに水分補給する。

2.虫歯や歯周病などがある場合は早めに治療し、歯が無い部分についてはブリッジ、義歯へ、インプラントなどの治療をして、よく嚙め、唾液をしっかり出させる環境を整える。

3. お風呂上がりの血流がよくなっているときや、リラックスしているときに唾液腺をマッサージする。 両方のあごの下、ちょうど親知らずのあるあたりの下には顎下腺(がっかせん)があり、耳の前方には耳下腺(じかせん)があります。これらをゆっくりマッサージすることで、口の中が少しずつ潤ってきます。

4. 舌、頰の筋肉を意識的に動かして鍛える。

5. 寝る前に乾燥を強く感じる場所に保湿剤を塗布するなどして、口の粘膜を保湿する

6. 漢方では白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、五苓散(ごれいさん)などがありますが、効果には個人差があります。

皆様も口の乾きを覚え、生活の不便さえも感じるようになったらお近くの歯科医に相談し、適切な治療を受けていただきたいと思います

                     歯科衛生士:新戸