2019年1月、アメリカの製薬会社Cortexymeから Science Advances に、次のような驚くべき論文を報告しました。
「Porphyromonas gingivalis in Alzheimer’s disease brains: Evidence for disease causation and treatment with small-molecule inhibitors (アルツハイマー病の脳内に存在するP.gingivalis:病気の原因を示す証拠と小分子を用いた治療)」
これは、歯周病の最も重要なkeyとなる菌、P.gingivalisが分泌するタンパク分解酵素gingipain がアルツハイマーに関与している、そしてそれを標的にすることによって治療が可能になる。というものです。
P.gingivalis (Pg菌)は、やはり重度になればその口腔内での割合も多くなります。
勿論、認知症の原因が100%Pg菌ではありませんが、認知症予防という観点からも歯周病を予防していく事の重要性が明確になりました。
胃がんとピロリ菌の関連が明らかになった時のようにも思います。
Cortexyme 社は、すでに gingipain 阻害薬を開発しており、いくつか臨床研究を進めています。
認知症の為にも、そして歯周病の為にも、ぜひCortexyme社には頑張って、画期的な gingipain 阻害薬 を期待したいです。
歯科衛生士 高橋 恵